お見合いのページ 0400080:海法 紀光@海法よけ藩国

10:31am 海法/Kaiho そ、そんなにいうなら、でてあげてもいいかもよ!

よけ藩国全土に激震が走った。

*** *** ***

<<黒オーマとのお見合いラブラブ大作戦、世界を超えた恋をしてみませんか?>>が公布された。


天領より回覧されてきたそのお知らせが藩国内に張り出されるやいなや、お祭り好きの国民は即座に飛びついた。

戦争、戦争、また戦争、でいいかげん、彼らは娯楽に飢えていたのもある。

が、なにより、彼らに国のわかばたちをダンジョンから助けて貰ったり、その直後に彼らの攻撃で部隊が全滅くらって神殿で蘇生したり、はてはロジャー奪還で彼らのもらい泣きを見たりと、なにかと縁のある黒達を間近で見ているうちに、よけ藩の国民は黒の男達の気質がすっかり気に入ったのである。

「わ、わたし、思い切って行くわ。お見合いに」
「あっ、私も。ちょうど新しいドレス作りたいところだったのー」
「ねぇねぇ、黒の方達って、やっぱり黒い服の方が好感持ってくれるのかしら」

国一番の服飾店はたちまち大盛況となったが。

浮き立つ女性達に混じって、なぜか野太い声も聞こえてくる。

「や、やっぱりお祭りだしさ」
「他の国の女の子達も、沢山出るっていうし」
「この国では縁遠くても、きっかけだけはなんか掴みたいしな」

なんか、勘違いしている者達は、未婚号の乗員なのかもしれない。

そんな活気づく国民の姿に、じっとしていられなくなったのは、原稿を、国政を、いかにして避けるかに心血を日々注いでいる、よけ藩国王である。
摂政や吏族の厳しい監視の目を欺き力ずくで避けまくるのもスリリングで良いが、明るく楽しくおおっぴらに避けるのも、また良い。

「俺もゆこうかしら(ぼそり) 」

「なんですって!?」
途端に、目をつり上げる、摂政の青にして紺碧。

「あ、いや、仕事をさぼるわけじゃなくてさ、ほら」
わずかに目を泳がせながら、国王は言葉を繋ぐ。

「国の娘さん達が、大勢行くと言うじゃないか。いくら仁義に篤いらしいとはいえ、ついこの間まで戦っていた相手だろう?彼女たちだけで行かせるのは心配じゃろ?」
「だからといって、陛下は男でしょ! あなたがお見合いに出てどうするんですかっ!」
声が1オクターブつりあがる。ついでに、ポケットに常備している捕獲用の投げ縄を、反射的にとりだそうとする。
が、

「あ、俺、お見合いに出るんだ」

思わぬ処から思わぬ発言に、腰が砕ける青にして紺碧。
床に座り込み、そのまま首を巡らして見上げると、いつもは国王討伐隊の一員となっている吏族の飛翔(性別:男)が、にこにこと立っていた。

「いやぁ、ほら、黒の奴らにダンジョンで助けて貰ったじゃない。だから、いつか直接お礼を言おうとおもっていたんだけど、機会がなくて」
「生死を賭けて戦ってるんだからあたりまえですっ!」
「だから、これを逃せば、言えないから思い切っていくことにしたよ」
「いや……飛翔さん、あなたも一応男なんですよ?」
「うん。だから、見合い写真はそれなりに礼儀をわきまえることにしたんだ。ほら」

それをのぞき込んだ、青にして紺碧は絶句した。
そして、数秒固まったあと、おもむろに、呼び鈴を押すと、どれどれ自分にもと写真をのぞき込もうとした国王をがしっと捕まえた。

「うを、なんだなんだ?」
「陛下。先ほどのお言葉は、嘘偽りはございませんね?」
「さきほどの…って、な、なに?」
「よけ藩国の女性達を守るために、お見合いに行ってくださるというお話です」
「あ、ああ。もちろんだとも」

「お呼びでいらっしゃいますか?…あら?」

呼び鈴に呼ばれて入ってきた、王宮メイド軍団は、摂政が国王に抱きついている姿に少し驚いた。何を勘違いしたのか顔を赤らめている者もいる。

「皆の者。このたびの黒オーマとの見合いにつき、いたくご心配された陛下は御自らご出席され、女性達を守護してくださるということだ」
「ええっ、陛下、でも…」

「ついては、他国の目もある。念入りに支度をお願いしたい。飛翔殿が見本を持っておる。それにならって、陛下の身支度をお願いしたい」

とまどいながら飛翔の写真を手に取ったメイド達は、はっ、と顔を上げた。
全員の目が、異様に輝いている。ついでに飛翔の目も輝いている。

「「私どもにおまかせください!」」

たちまち、メイド達は、炎熱編集から訓練を受けたかのようにすばやくがっちりと国王を取り囲んだ。
そのまま、連れ去られようとする国王は、思わぬ事態の推移に困惑しながら背中越しに呼びかける。

「え、え?いいの?俺、見合いに出ても?」
もちろんこれは、「遊びに行っても」という意味なのだが、それを知りつつ青にして紺碧は微笑み、手を振った。

「ええ、楽しんできてください。みなをよろしくお願いしますね。女性達に一筋たりとも怪我のないよう、しっかり護ってくださいねー」

彼らの姿が見えなくなると、青にして紺碧は、吏族御用達デジカメを、飛翔に手渡した。

「これで、陛下のお見合い写真をばっちりとってくださいね」
「重大任務、承りました」

吏族仲間として、苦楽をともにしている二人は、にやりと笑い、がっちりと固い握手を交わした。


そして、飛翔の力作が、以下の写真となる。



(海法紀子…さん?/絵:飛翔)

(文:森沢)


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