【公共事業提出】試作機のデザイン(芥辺境藩国) 波多江@海法よけ藩国

・試作機説明

「航空、低軌道宇宙での戦闘を考慮」した結果、完成した本機は従来の「戦闘機」とは大きくかけ離れた、30m超の大型機となった。
機体のシルエット――コックピットの無い円錐形に近い機首、亀の甲羅を思わせるような形状の胴体、そこから生える鍛え上げられた刃物を思わせるような鋭い三角形の主翼、そして、機体後部は大きなエンジンに占拠されている――は、そもそも航空機とすら思えないものであった。
大気圏内から低軌道宇宙(高度1400 km程度)を超高速飛行するので機体構造こそしっかりと作ってあるが、施された装甲は「紙より厚くダンボールより薄い」程度でしかなかった(例外的にコックピットやエンジン付近など重要な部分は分厚く装甲されている)。
主翼には高速飛行時に有利とされる三角形のダブルデルタ翼を採用し、実際には想像以上の良好な結果をだしたが、反面、低速時の安定性は非常に悪く、パイロットたちは本機による着陸を「予定された墜落」と呼んで恐れた。
新規開発された大型スクラムジェットエンジンは超高速飛行時を可能にするほどの大出力を発揮したが、燃料の燃焼に必要な圧縮機とタービンがないので、十分な燃焼効率がえられない離着陸時など低速飛行時には小型のターボジェットエンジンに切り替える。
宇宙飛行時には主推進として液体燃料ロケットエンジンを用い、細かい姿勢制御は機体各所に取り付けられたスラスターにより行う。
この様に多種多様なエンジンの燃料を搭載するのに機体内部のタンクのみでは十分ではなく、作戦出撃時にはコンフォーマルタンクとよばれる機体密着型の増加燃料タンクを装備するようになっている。これにより空気抵抗をあまり大きくすることなく、3倍以上航続距離を伸ばすのと同時にハードポイントも増やすことが出来た。
巨大な機体のほぼ中央に半ば埋まったコックピットは、複合装甲で覆われておりパイロットはメインモニタに映し出される光学、赤外線カメラの映像を通して操縦することとなる。
アクティブ・フェイズド・アレイレーダー、赤外線探査装置などの索敵装置で得た敵や味方の情報は、最新コンピュータによって高速処理されパイロットの目の前にあるサブモニタに映し出されるようになっている。
また、火器管制も高い水準にありパイロットはトリガーを引くだけで敵機を――少なくとも紙面上は――簡単に撃墜できた。
従来の計器類も別のモニタに纏められており、パイロットは指先ひとつで簡単に自分の欲しい情報を得ることができる。
試作機は複座戦闘機であり、前席に操縦担当のパイロット、後席に航法・通信担当のコ・パイロットが乗り込む形である。場合によっては、電子戦装置を操作するためだけの人員が搭乗することもあるので、座席周りは比較的空間に余裕をもたせて作ってあった。

武装は、固定武装として機首にある6門のレーザー砲及びエアインテイク(空気取り入れ口)脇に取り付けられた4基の30mmガンポッド、さらに主翼下、胴体にハードポイントを備えており、大気圏内限定ではあるが合計16発の空対空ミサイルの携行できた(スクランブル発進する場合は、胴体のハードポイントに加速用のブースターを取り付けることも可能である)。
この機体、宇宙からやってくる敵性脅威に対抗するために開発されたインターセプター(要撃機)である。そのため重視されたのは、一に上昇力、二に速力、三に加速度である。
簡単に言うなら、素早く敵機に近付いて、ミサイルぶっ放すなり、機関砲ぶち込むなりして、確実に排除できさえすればいいのだ。くるくるこまのように回るアクロバット飛行は最初から想定外である。
……とはいえ、「戦闘機」と銘打った以上ドッグファイト(格闘戦)が出来る最低限の機動性を確保しているが、やはり小型機に対しては旋回半径の点で分が悪く、高速を活かし、敵より高い位置から急降下、強襲、そして離脱といった一撃離脱戦法が本機による空中戦の基本である。
このため何かとインメルマン・ターンやハイスピードヨーヨーといった空戦技術を多用したがるベテランパイロットからは毛嫌いされた本機だが、新米パイロットからの評判は悪くはなかった。真っ直ぐ飛ぶ限り――激しい機動を取ろうとすれば最悪墜落する――は良好な操縦性をもっており、飛行経験の少ない人間でも飛ばせることが出来たのだった。

(波多江)

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