(SS)【よけ藩国 お花見ほのぼの編】

――つまり、2と3。たったこれだけの差が、参加者の命運を分けたのであった――

<花見大会報告書の文頭より抜粋>




響き渡る発砲音、破壊音、不協和音。

その合間に聞こえる、悲鳴、絶叫、奇声、歓声、雄叫び……。

当事者たちにとっての悲劇――第三者から見れば喜劇――の舞台となった花見会場からすこし離れた場所に、一番、二番シートの面々はいた。

某近衛が惨状を予見して、自分たちのシートから濃すぎる面々(イロモノ)をあの手この手で遠ざけたとも言われているが、定かではない。

とにかく、1番、2番シートのメンバーが穏やかにゆったりと花見を楽しめていることは事実だった。



風に吹き抜かれ枝が揺れるたびに、桜の花びらがはらはらと舞い散る。
その優美な光景は中々、詩人や作家などならずとも感動するに十分だった。

「いやぁ、綺麗だねよけ桜」
「来年もこれほど綺麗にさくといいんですが」

花見をしっかりと堪能しつつも、焼き鳥を肴に「よけ正宗」の一升瓶をものすごい勢いで空にするよっきーとメビウス。
見かけ幼い二人がアルコールを煽っている姿は、かなり法律云々以前に道徳的にどうかなと思われたが、誰も何も言わなかった。
(3番から6番シートの面々にその程度のことを気にする余裕がなかったこともあるが…)


「はい、どうぞ」
「あ、どうも」
ツグが淹れたての番茶が注がれた茶碗をりゅうへんげ手渡す。
「どうですか、味の方は?」
「とてもおいしいですよ」
「えっと、私の方のも飲んでみてください」
川上なつが、こちらは玉露淹れた茶碗を手渡す。ついでに、お茶請けも。
「あ、ありがとうございます」
女性二人に構われるりゅうへんげ。
両手に花とはまさにこのことである。
『じ……実に、うらやましい! りゅうへんげ、石抱きの刑だ! って、何をするんだ…うわっ!?』
(※回線が混戦した模様です。申し訳ありません。)


「あの……大丈夫なんですか?」
「何がですか?」
「いや、なんか銃声とか聞こえるんですけど……」
不安げな表情で質問する正木に対して、にんまりとした笑みで答えるひろ。
「気にしない。気にしない。あんなのは、いつものことだよ」
そういって、日本酒がなみなみ注がれたコップを一気に傾ける。実に男らしい否、漢らしい呑みっぷりである。
「はぁ、そうなんですか……」
とかいいつつも、ひろにすすめられるままに蟹を食べる正木。


そして突如、轟音と共に上がった複数の火柱。

「えっ、何?」
驚きの声を上げるよしたま。だが、決して逃げようとはしない。流石は避け国民である。
「あれねー、多分花火だよ」
よしたまのグラスにウーロン茶が注がれる。
「あ、ありがとうございます。……ところで、花火なんですかあれ?」
「うん、なんでも波多江さんが自腹で用意したんだって」
「へぇ、凄いんですね……」
勿論、嘘である。そんな金があったら、決して参加者に飲食物を持ってくるようには言わないだろう。
よしたまに嘘をついた人間、近衛カケルは一旦、表情を消すと
「……やっぱり、コーヒーはブルーマウンテンに限るね」
意味深な笑みを浮かべたのであった……




後に、近衛とよしたまの会話を拾ったテープを再生した波多江は呆れた。
「近衛さん……あなたが実行責任者をやれば花見はうまくいったんじゃないんですか……」

(波多江)

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この記事へのコメント

ナルシル@携帯
2007年05月04日 01:39
波多江さんグッジョブ!!これぞよけ藩国だよね(笑)
黒崎克哉
2007年05月04日 06:51
俺て一体ww卒倒しまくりーw(T∀T)
波多江
2007年05月04日 13:03
ほのぼの編といっておきながら、ほのぼのじゃないのは仕様です。
すみませんorz
亀助
2007年05月04日 16:00
…近衛さん、爽やかキャラなふりして腹黒キャラだったんですか!?うにゃぁ!騙されたにゃぁぁ!!
よしたま@わかば
2007年05月04日 17:57
波多江さん、お疲れ様です。 銃撃戦の横でゆったり花見なのですね(のんびりー)/参加するのに「ほのぼの編」を選んでおいてよかったとホッとしてますー^^
ツグ@わかば
2007年05月05日 22:38
ほのぼのお花見出来て良かったです。だが、その向こうでは…影の努力が、ご苦労様です。