イベント59準備SS【歩兵戦闘】

 ざわめきに包まれた新兵器から目をそらすと、よけ藩国歩兵部隊は眼前の敵軍に意識を集中した。

 『引き金を引くタイミングは同時に。』

 まったく信用はできないが、あの新兵器に興味が向かったおかげで、予想された犬との対立はほとんど無く、むしろ毒気がぬかれて順調なほどだった。

 淡い緊張感から抜けきることはできなかったが、それでもやはり同じ感情を持つと、意思の疎通がスムーズになる。
 
 よけ藩国民はわりと犬が好きだった。
 藩国にたどり着いた「うにょ」という名の、亡国のメードに国を挙げてノックアウトされている節がある。

 通信機から射撃命令が出る。一呼吸の間に弾丸が雨のように敵に降り注ぎ、呼吸が止まるほどの爆音が響いた。

 訓練された体が反射的に敵を打ち抜き、吹き飛ぶ泥にまみれながら、隣の犬の部隊から小さな声が聞こえてきた。
 
 『どこかの誰かの未来のために』

 笑う。まさにウワサに違わぬヒロイックな台詞。これは負けてはいられない。部隊長が唱和する
 
 『どこかの誰かの未来のために!』
 
 さざ波のように言葉が広がり、詩のように響いていった。



【記録音声】
 戦争だ、戦争だ。

 連戦に継ぐ連戦で、歩兵部隊の隊員の心身はすさみきり、とぎすまされている。
 まさに戦闘精神モード。銃声が福音にすら聞こえる。
 
 戦争だ戦争だ。
 目的はもはや全て無く、ただ眼前のチルを粉砕する。
 圧倒し、爆砕し、粉砕し、それでも尚足りぬならば、骨の髄まで絞り出し、荒れ野骨で武器を作ろう。
 さあ、戦争だ戦争だ。
 銃口を並べ、晒すようにとチルたちに弾丸を叩き込み、詩を詠おう。
 よけ国FVBのいいところー、もっとわしたち見てみたいー!

 詩に合わせて砲撃連打。衝撃波が壁になって敵の攻撃をそらした。
 そらされた道には進軍路。突撃の瞬間であった

(嘉納)

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