【食糧増産計画】キャベツ畑の絵に寄せる

【食糧増産計画】キャベツ畑の絵に寄せる
「お父さん。赤ちゃんってどこからくるの?」
「うむ。それはだな……」

 赤ん坊の起源といえば、コウノトリとキャベツ畑が定番ではあるが、後者については、避け藩国の避けキャベツが元になったという説がある。
 避けキャベツとは、その名の通り、よけ藩国特産のキャベツである。これ自体は、何の変哲もない普通のキャベツに過ぎない。
 問題は、「避けろキャベツ」(学名:ミドリイロヨケキャベツモドキ)である。

 「避けろキャベツ」は、キャベツの擬態をする肉食獣であり、群生するキャベツの真ん中にちょこなんと座り、やってきた小動物を補食するという性質を持つ。
 「避けろキャベツ」の大きさ自体は、キャベツ程度であり、性質は基本的には臆病。棒でつついてやれば、おそろしい大声をあげながら一目散に逃げ出す。
 ただ、うっかり手を出そうものなら、キャベツと思った葉っぱが、ぱっくり開いて、牙だらけの口を露わにする。

 近年、避けキャベツの品種改良成功に伴い、ジャイアント避けキャベツの栽培が始まった。ジャイアント避けキャベツは、一抱えほどもある巨大な避けキャベツである。
 これによって、避けろキャベツの判別が容易になり、農家は快哉の声をあげた。
 だが、すぐに、「避けろキャベツ」の適応が始まり、結果的には、一抱えもある巨大な猛獣を生み出すこととなってしまった(暫定名「オオミドリイロヨケキャベツモドキ」)。

 オオミドリイロヨケキャベツモドキ、通称、Gキャベは、通常の避けろキャベツに比べて攻撃的であり、近距離では飛び跳ねて急所に食いつく性質を持つ。
 Gキャベのヒットダイスは約3。技術点は6。不意打ちの場合は8に達するという。

 このため、キャベツ農家には、今年度より、レザーアーマーと13フィート棒が国から支給されるに至った。

 農業は一見、地味な分野であるが、狩猟や漁と同じく、自然環境との戦いであり、人口増加に対応するための、血を吐きながら続ける悲しいマラソンの一つであるといえよう。
 丹念に毎朝13フィート棒でキャベツをつつく農民達は、漁師や猟師と同じく、一流の避け師なのだ。

 「おまえは、生まれた時、避けろキャベツの口から救われたんだよ」と、避け藩国では子供に伝えている。授かった命の尊さを教える言葉である(海法)


絵師:からす

 平和に見える避けキャベツ畑。
 農夫は、毎朝キャベツの数をきちんと数えることを忘れない。もし一つ増えていたら……それは「避けろキャベツ」かもしれないのだ。

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