【食糧増産計画】森の探検隊篇

○食糧増産・森の探検隊篇

/※/

 海法避け藩国では、勇敢な探検隊が今日もまた冒険を繰り広げている。

 普通の藩国であれば、簡単に国土の把握ができるので、探検隊など必要ないだろう。
しかし、避け藩国には避け森・避け山などがあり、一度も人を踏み入れさせたことがない
(人を避ける)場所が存在してもおかしくないのである。
そのような場所を探しても仕方ないだろうという意見が出るのもしばしばであるが、
そこはにゃんにゃん共和国民らしく

 「その方が燃えるからだー」

と、好奇心まるだしで隊員たちは答えるのであった。

 その名も“避け探検隊”。
 その能力は高いが、高すぎて結果が伴なわないという噂がある。あらゆる危険をよけ、
強敵をよけ、目的の物でさえもよけてしまっているとか、いないとか。
霧の深い森に探検へ行ったら、あらゆるものをよけ、結局はスタート地点から数十メートルの
場所を彷徨い続けたという避けっぷりである。
 そんな実績から、探検隊は“突撃する遭難隊”とも呼ばれるようになっていた。

 今回の目的は“伝説のバナナの木”。
避け森深部に大量に樹生しており、美味しいと人気の果物だ。

 「藩国の食料増産命令にしたがってのことだからがんばるのだー」

と意気込んではいるが、実際は自分たちが食べたいからであることは言うまでもない。

 「バナナ、ばにゃにゃ♪」と口ずさみながら、避け森深部の探検は始まった。

 少し経過して。

 「隊長~、にゃんかここを何度も通っている気がするにゃ。」
 「まさか、探検を始めてまだ1時間だぞ、そんなに早く道に迷う奴がいるかー。」

 そんなことを言って、笑いながら足を進めた。

 さらに数十分、隊員たちがざわめきだし、隊長の顔は明らかに曇ってきた。

 「ま、迷った(ボソッ)」目をグルグルにしながら、つぶやく。
 「「「にゃ゛、にゃんだってー」」」

 いっせいに隊員たちが騒ぎだした。お約束である。

 「お腹が減っているから、頭が回転しないのだー。よし、食事にしよう。うん、食事にしよう。」

 あ、ごまかした。

 「よし、みんな食料を出すのだー。」
 「も、持っていないのにゃ。隊長がバナナをたくさん持って帰れるように、
荷物を軽くしていけって言ってたにゃ」
 「しょ、食料を持ってくるなとは言ってないぞー。」

 短い沈黙。

 「「「遭難したにゃー」」」

 2時間も経たずに遭難。新記録である。猫的大記録である。
この記録が破られることは当分ないであろう・・・。

 有る程度時間が経った後、幻のバナナはあきらめ、とりあえず食料を探しはじめた。
この辺は遭難し慣れているだけあって、とても冷静であった。

 「んー、なかなか食料がみつからないにゃー。」などと悲壮感の漂うつぶやきがでてきた
ころ。明らかに不自然なそれは見つかった。

 「な、何だ、この1upしそうなキノコはー!?」

 そのキノコは巨大であり、小さいひげのおじさんと同じぐらいの大きさであった。
外見もやっぱり危ない色をしている。

 「巨大なキノコだけど、せっかく見つかった食料だ。よし、そこの君、食べてみろー。」

 あ、おしつけた。

 「ムリにゃ、ムリにゃ。絶対危ないにゃー!!!」

 そんな叫びが虚しく響き、他の隊員にがっしり捕まり、無理やり口に入れられた。

 「お、おいしくないにゃ・・・でも、食べられないこともないにゃ。」

 この感想を聞き、みんなスゴイ勢いでキノコを食べ始めた。
満腹になったが、キノコはまだまだたくさん残っていた。

 「こんにゃ巨大なキノコがあれば、避け藩国は餓死することなんて絶対なくなるのにゃー。」
 「よし、もう疲れた(飽きた)し、この巨大キノコを持って帰還するぞー。」
 「「「おぉー!!」」」

こんな時ばかり、探検隊の士気は高くなる。

 それからは、バナナを入れるはずだったスペースにたっぷり巨大キノコを積み、
彷徨い続けながらも、なんとか町に戻ることができたのであった。


結果報告:
 【伝説のバナナの木は発見できなかったけど、巨大なキノコの持ち帰りに成功しました。】


<後日談:>
 研究所の長時間におよぶ分析の結果、このキノコは餓死しそうな生物に反応し、巨大化。
通常時は見つからないほど小さく、とても美味しい。栽培も可能だ、と発表した。
非常食としての評価が高く、多くの人が栽培を始め、餓死さえも避けるとの意味合いで
“避けキノコ”と名づけられ重宝された。

(近衛カケル)

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