【食糧増産計画】避け猫たちは今日もお腹いっぱい

避け猫たちは今日もお腹いっぱい。(ほのぼのテイスト)

以下、食糧増産計画の、藩国の様子SSですー。
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このころ、藩国内は、食べ物の調達に大忙しでした。
天領というところ(つまりとってもエライところ)から、食べ物をたくさん作るようにー。とお達しがきたのでした。

その様子は、まさに「猫の手も借りたい」といったところでした。
たくさんの猫たちが、あわただしく右に左に走り回りました。
猫たちはとても仕事が早かったので、(そして、食べることにはとても執着が強かったので)、途中までは順調に食べ物が作られていきました。

けれど途中から。
猫たちの仕事はぱったりと、はかどらなくなりました。
あちらこちらで議論が出て、猫たちは集会を開くばかりでした。
一体どうしたのかというと、およそ、こういうことでした。

ある程度の食べ物が作られると、猫たちは一様に、同じことを考えるようになりました。

 ──どうせならおいしいものが食べたいにゃ。

とたんに、手が進まなくなりました。

猫たちは、必要とあればどんなものでも食べましたが、本来はグルメでした。
とりわけ野菜よりもお肉。お肉よりもお魚を好みました。
しかし、作りやすい野菜に比べると、お肉やお魚は手に入れるのに限界があるのでした。

「さかなにゃ」
「いや、鳥にゃ」
「なにをいうにゃ! ねずみにゃ。食用ねずみが一番にゃー!」

猫たちは本来の目的も忘れて、限られた予算をどの食べ物につぎ込もうかと、毎日毎日、議論ばかり繰り返しました。
そしてたいていの場合、議論には決着がつかないのでした。

「おさしみ!おさしみはこの世の至宝にゃ!」
「いや、オイラはやっぱり焼き鳥がいい。」
「みんな分かってないにゃ。・・・さては『するめ』というものを知らないにゃ?」

そのうち、何を作るか、から、それをどうやって食べるのが一番ウマイか、にみんなの関心が移っていきました。
計画の実行は、困難を極めました。

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滝川キャスター「みなさんこんばんは。今日は嘉納摂政が番組にお越しです。」
嘉納「なんでもいいから、とにかく肉でも魚でも自分の好きなものを作りなさい。・・・食べられるものなら何でもいいんだ!」

頭を痛めた嘉納摂政は自らテレビに出演して、事態の収拾をはかりました。
これを、みんなは「摂政のお墨付きにゃー」と受け取りました。
状況が少し変わりました。

手を休めてごろごろしたり日向ぼっこしたり議論していた猫たちは、またキビキビと働き始めました。
そして、みんなそれぞれ自分の好物を入手しにかかりました。

猫たちはすっかり統制を失いましたが、その代わりやる気だけは、異様に高まりました。
そして、それが事態をもっと悪くしました。

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猫たちは、めいめい自分の一番の好物を作りました。
その結果、異様なほどつまみ食いの量が増えてしまいました。
それにたいていの場合、猫たちの好物(お肉やお魚です)は新鮮なほどおいしいので、作るなりつい食べてしまうという猫がとてもとても増えたのでした。

国庫の食べ物はちっとも増えませんでしたが、猫たちのお腹はなぜかいつもいっぱいでした。
猫たちは、ああこの世の春だにゃー。猫の時代だにゃー。と口々にいいました。
とうとう、嘉納摂政は寝込んでしまいました。

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結局、国の負担で巨大な冷蔵庫と冷凍庫が整備されることで、事態はふたたび収まりました。
摂政は3日間寝込んで復活しました。
摂政の指導で、猫たちはようやく統制を取り戻し、増産計画はなんとか無事に成功しましたとさ。

めでたし。めでたし。

(ナルシル)

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