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zoom RSS 【タイガーライドSS】大会10日目・のうきん

<<   作成日時 : 2007/03/01 02:46   >>

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「号外!号外!
 ちは選手敗れる!」

時は今をさかのぼること7日前。大会3日目のことです。

その日、街は大変な騒ぎとなりました。
優勝候補の筆頭、ちは選手が、なんと緒戦で謎の覆面ライダーに敗れたとのことでした。

その試合を見ていなかった波多江は、半信半疑で号外を手に取りました。
紙面には、ちは選手が泣きべそかいてぐじゅぐじゅになっている写真が載っていました。
その背後には、カメラに向かってVサインをする覆面ライダーも写っていました。

覆面ライダーの名を「のうきん」といいました。
赤いマフラーと、メカメカしいベルト、黒みがかった紺色のボディスーツがとても印象的でした。

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彗星のように現れたのうきんは、その後も破竹の勢いでトーナメントを勝ち上がりました。
その圧倒的な強さは向かうところ敵無しでした。

藩国最強の戦士ちはを破った強さと話題性に加えて、ミステリアスさも兼ね備えたこの覆面ライダーを、避け猫達は″ニューヒーローだ!新しいスタアの誕生だ!″と、こぞって囃し立てました。


この人気に目を付けたのはオモチャ会社とテレビ局です。
早くも、のうきんをモデルにした特撮番組の放映が始まりました。

テレビ向けに生み出された主人公ヒーローの名前は「すのうきんぐ」すなわち「雪王」です。

番組タイトルは「覆面ライダー雪王」と言いました。

「言っとくが俺は最初からクライシスなんだぜ!」
という謎の決まり文句は子供たちに大ウケにウケました。

すのうきんぐが何故いつも危機にさらされているのか、知っている子供は一人もいませんでしたが、ガーター総統率いる魅惑の軍団との戦いはなかなか目が離せないものとなり、大人まで番組に夢中になるのでした。

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大会10日目。日曜日の朝。
そろそろ番組が始まる時間です。

「もちもち!おきてー。すのうきんぐはじまっちゃうよー。」

「ふにゃあ・・・(おめめゴシゴシ)」

「ほら、はやくはやく!」

どこの家庭でも、ちびっこたちが雪王を応援しているのでした。
その日、雪王のモデルとなった「のうきん」は、トーナメント7回戦に臨みました。

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のうきんの7回戦の相手は、文族のナルシルでした。

ナルシルは本来、大会運営チームのお手伝いをするはずでしたが、優勝賞金と副賞の秘湯巡りに目がくらみ、ライダーとして参加していたのです。
そして必死の思いでトーナメントを勝ち上がり、この日も家族に、

「パパはきっと勝つからね。」

と約束して、鼻息も荒く出陣したのでした。


試合前、のうきんとナルシルは、ライダーシップに則って挨拶を交わしました。
ナルシルは少し照れてこう言いました。

「うちの娘たちは雪王の大ファンでね。
 私が、もし、あんたに勝っちまったら、泣かれるかも知れないなあ。」

覆面の下で微笑みを浮かべるのうきん。

ナルシルは、そこから真面目な眼差しになって続けました。
「でも・・・私は手加減しないよ!」

当然のように、のうきんもこう答えました。

「・・・もちろんボクだって手加減はしませんよ。共に全力で戦いましょう!」

それから二人はフェアプレーを誓って、がっちりと握手を交わしました。


-- Ready! --

華々しいアナウンスが流れました。

対戦する二人は、ともに高らかに剣を掲げて、大歓声に応えました。
観客たちの誰もが、二人からほとばしる気合いをひしひしと感じました。

ナルシルが持つ同名の剣・ナルシルが、その輝きを増しました。
のうきんを乗せたメイルシュトロームが、力強くその翼を広げ、闘う意志を誇示しました。
スタジアム中に緊張感がみなぎりました。
そこにいた誰もが、固唾を飲んで号令を待ちました。


-- 試合開始 --

放たれた矢の如く、のうきんがトップスピードで突撃しました。
ナルシルも真正面から応戦してきました。

一瞬のことでした。
すれ違いざまに振り抜かれた互いの剣が、互いの目先をかすめました。


──互角ッ!

一撃で我彼の戦力を正確に把握したのうきんは、そのまま離脱して距離を取りました。
逃げたわけではありません。次の攻撃に移る準備でした。

他方、ナルシルは旋回して距離を詰めにきました。
先の一撃で、正面同士では決着が着かないことが分かったからでした。

詰め寄るナルシルに対し、のうきんは待機して正確に狙いを定めました。


そして再び両者が交差する瞬間──
試合を決める一撃が放たれました。

袈裟掛けに振り下ろされたナルシルの剣。
しかしそれよりも早く、のうきんの渾身の突きが、ナルシルの喉元を撃ち抜きました。

のうきんの勝利を告げるファンファーレが、高らかに鳴り響きました。



ショックのあまり崩れ落ちるナルシルに、のうきんは手を差し延べました。
ナルシルは素直にその手を掴み、助け起こされました。
二人は共に、素晴らしい対戦相手に巡り会えたことを、誇りに思っていました。

ナルシルはこう語りかけてきました。

「何でだろうな・・・。あんたとは初めて会った気がしない。」

覆面の下、苦笑いを浮かべるのうきん。

「優勝しろよ。そんで、あんたの奢りで一杯やろうや。」

俺あんまり飲めないんだけどな、と思いながらも、のうきんは再び手を差し延べました。
そして、二人は再び、固い握手を交わしました。


のうきんはこの試合で、ベスト8進出を決めました。

(ナルシル)

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
ち、ちはさんをなかせちゃいけません!
りゅうへんげ@わかば
2007/03/01 06:15
すのうきんぐ!!スゲーやwww
黒崎克哉
2007/03/01 07:39
雪王フィギュア欲しい!並んででも買います(≧ω≦)
ひろ@わかば
2007/03/01 11:01
わーい、登場できたー!
波多江
2007/03/01 13:27
雪王=すのうきんぐ、そして何この頭悪そうな決まり文句www
青にして紺碧
2007/03/01 16:27
すのうきんぐですかw
アレですね、電王とかいうのより確実にイケてる(死語)んじゃないですかw
るぅえん
2007/03/01 21:20

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