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zoom RSS 【タイガーライドSS】大会10日目・ひろ

<<   作成日時 : 2007/03/01 02:20   >>

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筆者ナルシルがなかなか続きを書けないでいるうちに、大トーナメントは早くも、10日目にさしかかっていました。
これまで数多くの試合が消化され、数多くの参加者がふるい落とされました。

しかし多くのライダーが敗北すればするほどに、勝ち残る者の名前が消えれば消えていくほどに、なおふるいに残っているライダーの輝きと名誉は増す一方でした。
ここまで残ったライダーはみな、正真正銘のスターと言って間違いありませんでした。

わかばであり、若く健康な若者でもある"ひろ"も、その一人です。
彼は過酷な連戦によく耐え、順調に、ベスト16まで勝ち進んでいました。

どの試合も圧勝ではありませんでしたが、危ない試合も全くありませんでした。
いつも正攻法で戦い、いつも正攻法で勝ちました。
誰と戦っても必ず善戦し、必ずや見事に打ち破りました。

ひろは経験こそ浅い若武者でしたが、素直な太刀筋はとても疾く、体は健康で元気一杯です。
そして彼は、自分の肉体を十二分に使いこなす術を身につけていました。
これは生まれ持った素質と、たゆまぬ努力、そして師匠であるよっきーの教えが、結実したものでした。
これがひろの最大の武器であり、最大の魅力でもありました。

そのファイトスタイルには決して華はありませんでしたが、彼は今や老若男女に広くファンを持つ、人気選手となっていました。


そして10日目。トーナメント7回戦。
ひろの7回戦の相手は、「きのこ仮面」という名の不思議なライダーでした。
彼は大きくなれそうなキノコの被り物をすっぽりと頭に被って、目の部分にはビン底眼鏡をかけていました。


-- Ready! --

華々しいアナウンスが流れました。
ひろが観客席に手を振ると、多くのファンから声援が飛んできました。
声援には黄色い声あり、野太い声あり、しゃがれ声ありでした。
ひろは自分が多くのファンから愛されていることを改めて知ると、恥ずかしい試合はできないな、と思いました。

対戦相手のきのこ仮面は、観客席から飛んでくる笑い声に気前良く反応しておどけて見せると、あとはじっと、ひろを見つめて動かない風でした。

ひろは帽子を取ってこの対戦相手に向き直り、大きな声で、よろしくお願いします!と叫びました。
きのこ仮面は鷹揚にうなずきました。その様子は、なんとなく満足げに見えました。


-- 試合開始 --

「いきますっ!」

ひろはまず様子を窺うように右に旋回しました。
決してムリをせずチャンスを待つのが、よっきーから教わったファイトの極意でした。

(避けて、避けて、避け通すのがシューターだ。
 そしてここぞと見たらロックオン。必殺のホーミング弾で勝負を決めろ。これはライダーにも通じる。)
 
戦いの最中でしたが、師匠の教えが思い出されました。
ひろはこうしていつも教えを思い出すのです。

きのこ仮面は、同じように右に旋回してきました。
二人の距離は縮まらず、ぐるぐるっと回る感じでにらみ合いになりました。

──ワンパターンだな。

え!?と、ひろは動揺しました。
こんな戦いの最中に、きのこ仮面が瞑想通信を入れてきたのです。
しかもこのチャンネルは秘密のホットラインのはずでした。

──今私が左に回っていれば私の勝ちだったよ。だが、もう少し遊んでやるか。

ひろが通信に気を取られて、うっかりタイガーの脚を緩めると、きのこ仮面はすかさず突撃してきました。
ひろは目を剥いてよくこれに反応し、危ういところで斬撃をかわしました。

──いいぞ。・・・だが、今おまえは私の背後を取ることだってできたはずだ。まだまだ甘い。

たしかにきのこ仮面の言う通りでした。
しかし、ひろの頭はすっかり混乱しました。

(一体こいつ何者なんだ!?)

きのこ仮面は再び突撃してきました。
今度はかわしきれない速度でした。

---------

混乱していたひろは、しかし、迷いませんでした。
体が勝手に反応したのです。
自分も真っ向から突撃しました。

突撃するひろの脳裏には、また、師匠の言葉がありました。
それはほんの0.01秒かそこらの時間でしたが、一瞬のうちにひろを勇気付けました。

(勝利のチャンスは、いつ訪れるか分からない。シューターは考えるな。全身をセンサーにして反応しろ。チャンスを嗅ぎつけろ。これはライダーにも通じる。)

ひろの一撃が、きのこ仮面の胴を抜きました。

ひろの勝利を告げるファンファーレが、高らかに鳴り響きました。



戦いののち、気が立って荒ぶるタイガーをよく抑えながら、きのこ仮面は「見事だ。」と述べました。
その様子は、なんとなく満足げに見えました。

ひろは不思議そうにしながらも、ありがとうございました、と戦いの礼を全うし、入場ゲートに戻りました。


──今日の戦いを忘れるな。ここぞと見たらロックオン。

・・・え!?
ひろが慌てて振り向いたときには、きのこ仮面の姿はもうありませんでした。


ひろは、この試合で、ベスト8進出を決めました。

(ナルシル)

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
お面かぶってるのに、しかもきのこなのに、何このかっこよさw
ページ起こしてて受けました。

……きのこ……めがね……(ほろり)
青にして紺碧
2007/03/01 02:23
よっきーさんかっこいい!
りゅうへんげ@わかば
2007/03/01 06:10
わーいベスト8だぁ(≧ω≦)ナルシルさん、ありがとうございますヾ(=^▽^=)ノ (それにしても師匠かっこいいなぁ、しびれるぅー(o>ω<o))
ひろ@わかば
2007/03/01 10:58

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