海法よけ藩国/電網適応アイドレス

アクセスカウンタ

zoom RSS 我はチケットの盟約に従い物語を記述する(4)

<<   作成日時 : 2007/02/05 04:00   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 8

    激闘!

                  追う者 追われる者

        ガーターはかせ隊



――50207002



『ガーターはかせ隊』。それはよけ藩国内にて非合法な活動を行う秘密結社である。
例えば、買って来たはずの靴下が全てガーターストッキングに変わっている、それは
全て彼らの仕業である。
その規模は不明で、どれほどのスリーパーセルがあるのかも予測の域を出ない。

しかし、その活動の過激さたるや、ソックスハンターにもひけをとらない。
ソックスハンターが靴下を奪う者達であるのに対し、ガーターはかせ隊はガーターを
あの手この手で穿かせるのである。
乙女の貞操に関わる凶悪犯として、藩国ではその存在が危険視されていた。

さて、そのガーターはかせ隊の中でも一際異彩を放つ部隊が存在した。
その部隊の長の名を、あおひとという。あおひとの趣味はガーターはかせ隊の中でも
異端に属する。
なぜなら、あおひとは女性にガーターを穿かせるのではなく、男性にガーターを穿か
せることに無上の喜びを見出すのであった。

――曰く、すね毛が堪らない。

端的に言い表すとするならば、変態である。
女性にガーターを穿かせるのが変態だとするならば、大変態と言っても差し支えなか
ろう。

今日も今日とて、あおひとの部隊は新たな犠牲者をガーターの魔の手に掛けんと集結
していた。

/*/

「ハイール、ガーター!!」

ガーターを讃える黒服の男達を前に佇むあおひと。
黒いゴシックロリータ風のドレスを纏い、当然のごとくガーターストッキングを身に
付けている。

実はあおひと、この格好は酷く不本意である。
彼女にとって、ガーターベルトとガーターストッキングは男性の足withすね毛に穿か
せるものであって、自分が身に付けるものではない。
しかし、その身はガーターはかせ隊の大幹部。立場がガーターの着用をやむを得ない
ものにしていた。

「かーらーすー、ねぇ、からすっ! いるんでしょ!!」

不機嫌そうなあおひとの声に応じて、背後の暗闇からタキシードを纏ったからすがそ
の姿を現した。

「は、お側に」
「ねえ、からすっ! 私はガーターを穿かせたいの。穿きたいんじゃないのよ!!」

108回目のぼやきをもらすあおひと。からすはやれやれ、と思いながらも口を開い
た。

「あおひとさま。貴人には貴人に相応しい姿というものがございます。お立場という
ものがございますれば、そのような言はお慎みあそばしませ」
「……むー」

正論による説得に、口をつぐむあおひと。
ガーターを穿かねばならないのならしょうがない。誰かにガーターを穿かせて発散し
よう。

「じゃあ、からす。今回のターゲットを見せて頂戴」
「は、あおひとさま」

モニタに大写しになるターゲット。あおひとは満足そうに目を細めた。

/*/

「ぎゃーす!」

闇を切り裂く野太い悲鳴。
路地裏で地面に転がされた男が、その足にガーターを穿かされている。

「いいわ、最高よ!」

あおひとはガーターストッキングに包まれたすね毛を見て愉悦のため息を漏らした。
変態である。
きっとあの人にもガーターを穿かせてみせるわ。あおひとは決意を新たにしつつすね
毛を眺めて楽しんだ。まさにその時。

「そこまでだっ!」

闇夜に響き渡る男の声。何奴っ! とお約束の声を上げて見上げた屋根の上。男が一
人立っていた。

「我が名は青にして紺碧! ガーターはかせ隊よ、悪行はそこまでだっ!!」

高らかに名乗りを上げたその姿こそ、ガーターはかせ隊の不倶戴天の敵、よけ藩国C
GU(Counter Garter Unit)の長、青にして紺碧であった。

「武器を棄てろ! お前達は完全に包囲されている!!」

その声に応じて現れる女性吏族達(NPC含む)。そのなかにぷーとらがいるような
気がするが気にしてはいけない。おそらく大宇宙の大いなる意思によるものであろう。
現れた吏族に大して銃を抜こうとした手下がテイザー銃で撃たれ、銃を取り落とした。

「逃げ場はない、観念するんだな」
「……さぁ、それはどうかしら?」
「何?」

不敵に微笑むあおひと。次の瞬間、大型のヘリが現れ、上空からロケット弾を乱射し
た。


――爆発。


煙に紛れるようにしてその場を離脱するガーターはかせ隊。
大型ヘリはあおひとの離脱を確認すると、飛び去って行った。

「ええい、追え、追うんだ!」

追跡を開始するCGUチーム。闇夜の追跡劇が始まる。

/*/

「あおひとさまは先にお逃げください。ここは我らが時を稼ぎます」
「すまない」

あおひとの言葉に不敵に微笑むとりゅうへんげ、黒崎の二人は踵を返した。
迫る追跡隊は二人を相手にするために一部を残し、あおひと等を追おうとしている。

「させるかっ!」

二人は瞬時にしてタキシードのスラックスを脱いだ。あらわになるガーターベルト&
ガーターストッキング。

「いやー!」
「きゃー!」

たちまちその場は阿鼻叫喚の地獄絵図と化した。
目を覆ってしゃがみこむ者あり、口から泡を吹いて倒れる者あり。見る見るうちにC
GUはその戦力を失っていく。

「ええい、ひるむな! 撃てー!!」

指揮官の声に吏族たちはすんでのところで統制を取り戻し、一斉に二人に向かってテ
イザー銃を撃った。
しかし、目を逸らしながら撃っている者が殆どで、当たりはしない。

「いくぞっ、ガーターシックス!」
「応! ガータークラウン!」

二人はコードネームで呼び合うと、合体技を披露した。表現を憚られる技を受けてば
たばたと倒れるCGUチーム。

「この変態がっ!!」
「ありがとう、最高の褒め言葉だ」

二人はCGUの殆どが戦意を喪失したのを確認すると、走り去ろうとする。
次の瞬間、ぷーとらの狙い済ました銃撃が二人に命中した。抱き合った状態のまま、
くるくるまわって倒れる二人。
ぷーとらはこのような場合に備えて紺碧によって伏せられていたのである。だって乙
女だし、とか言ってはいけない。
りゅうへんげと黒崎克哉はあえなく御用となった。


――一方その頃。


青にして紺碧とサク、ちはの3名は本隊とは別に追跡を行っていた。
屋根から屋根へと飛び移り、確実に距離を詰めていく。

「あおひとさま」

からすの声にあおひとは振り返って肯いた。

「ええ、よろしくね。からす」

その声を受けてからすは飛び上がり、三角飛びで屋根の上に飛び乗った。対峙する追
跡隊とからす。

「そこをどけ。首魁さえ捕らえられれば貴様などに用はない」
「そうは参りませんな。クイーンにお使えするのがこのガータースケアクロウの勤め
なれば」

にらみ合う紺碧とからす。そこへ、サクとちはが二人の間に割って入った。

「紺碧先輩、こうしている間にも主犯に逃げられます。ここは私達に任せて」
「しかし……」
「早く行ってください、ここは私達だけで対処出来ます」

すまん、と言い残すと紺碧はあおひとを追って屋根を飛び降りた。
直後、なんだか嫌な着地音が二人の耳に聞こえたが、どうせ紺碧のことだ、大丈夫だ
ろうと無視した。
そんな二人を眺めて不適な笑いをもらすガータースケアクロウ。

「くくく、かわいいお嬢さん二人だけでこの私に勝てるかな?」
「たとえ勝てなくても相討ちにはしてみせるわ」
「勇ましいことだ。では……行くぞっ!!」

走る紺碧の耳に爆発音が届いたのはその直後のことだった。

/*/

「ついに追い詰めたぞ、ガータークイーン!!」

紺碧は袋小路へあおひとを追い込んだ。振り返り、紺碧を見つめるあおひと。

「やるわね、青にして紺碧」
「観念するんだ、ガータークイーン」

勝利を確信し、紺碧は一歩踏み出した。途端、クイーンの喉から笑い声が漏れる。

「何がおかしい!?」
「あーはっはっはっはっは! 馬鹿ね紺碧。上を見て御覧なさいな。」
「……!」

異変を感じて上を見上げた紺碧の上に、ネットが覆いかぶさってくる。
しまった、これは罠だ。気付いたときにはクイーンの周りをタキシードの男達が取り
囲んでいた。
中央であおひとが嗜虐の喜びに満ちた笑みを浮かべる。

「ふふふ、いいザマね。青にして紺碧」
「くっ…、俺をどうするつもりだ!?」

ネットに自由を奪われ、もがきながら睨み付ける紺碧。

「ふっ、別に命をとったりはしないわよ? 我々がやることは唯一つ……」

あおひとは舌なめずりをすると歓喜に満ちた声を上げた。

「お前達、やーっておしまい!!」

そう、全ては罠だった。
偽ターゲットの情報をわざと掴ませたのも、部隊を分けて追っ手を分散させたのも、
腹心の部下まで殿にするほど追い詰められているように見せたのも、全てこのため
だったのだ。


ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーす!!


よけ藩国の夜に、青にして紺碧の悲鳴が響き渡った。

/*/

「うふふふふふふ……」

ガーターを穿かされた紺碧を見て、あおひとは悦に入っている。
ついに念願が叶ったわ。今日はなんていい日でしょう。

そこへ、りゅうへんげと黒崎を担いだからすが現れた。

「クイーン。そろそろ限界です。まもなく追手がここまで参ります」
「そう、もうなの。残念だわー」

本当に残念そうなあおひと。しょうがないからまた次の機会ね。
あおひとはスカートのポケットから小型カメラを取り出すと、パチリと紺碧を写した。

「では、お名残惜しいですけど、今日はこのへんで退散させていただきますわ」
「次こそ、次こそお前達を捕まえてやるからな!」
「期待せずにお待ちしますわ。では、ごきげんよう」

歯噛みする紺碧を前に、霞のようにガーターはかせ隊はその姿を消した。


/*/


あなたも油断してはいけない。
ガーターはかせ隊はいつでも、男女問わずその毒牙にかけようと虎視眈々と狙ってい
るのだ。
買って来たはずの靴下が全てガーターストッキングに変わっていたら、それは彼等が
あなたを狙っている証拠。
すぐにCGUに連絡して欲しい。


(結城洋一)

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
これの前に掲載された涼華さんのでもあれで、
ここでもこれで、俺っていったいorz
青にして紺碧
2007/02/05 04:06
忠告:これは絶対、電車内などで読まないことをお勧めします(爆笑)
涼華
2007/02/05 04:39
面白かったです!そして提案した俺も変■扱いに…ora アカン…あおちゃん達と共倒れやー!(笑)
黒崎克哉
2007/02/05 04:59
えっと、私はシックスとクラウン、どちらなんでしょう(汗)/まぁ、あおひとさんのガーター見れたから良いのですが(笑)
りゅうへんげ@ガーターはかせ隊
2007/02/05 07:04
なんだかどんどん私が変態キャラになっていってますねぇ…。
あぁ事実だから仕方が無いのか(笑)
これは何度読み返しても笑ってしまいます。
結城さん最高だっ!
あおひと
2007/02/05 12:27
面白すぎですよ、これ!
それから毎回ネタにされる紺碧さんに敬礼!(ぉぃ
波多江
2007/02/05 13:53
おいらもCGUはいるーw
よっきー
2007/02/05 15:04
結城先生!!感動スペクタクルをありがとう(ノ∀`。) そして何気にGHTはタキシード(下言わずもがな)なんですね〜。
川上なつ
2007/02/07 01:09

コメントする help

ニックネーム
本 文
我はチケットの盟約に従い物語を記述する(4) 海法よけ藩国/電網適応アイドレス/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる