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zoom RSS イベント09 物語で見る各国の戦争準備状況(結城洋一編)

<<   作成日時 : 2007/01/09 22:44   >>

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――第七世界 よけ藩会議所

結城洋一の発言:
「あと3時間あるので戦闘準備物語一本かける気がする、やってみるかな。
 しかし、よっきーさんが良い仕事してるからなぁ。 あとどんな切り口でいこうかしら」

青にして紺碧の発言:
「ほのぼの系で!
 更紗さん出演で!
 ミニスカートで!」


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――その頃 於第一世界

半分物置と化している和室でPCデスクの前に座る痩せた男が一人。

男は自分が世間一般でいうところのミリタリーマニアであることを知っているが、同時に実際に戦場に出ればすぐに死ぬだろうことも、また知っていた。

FPSの第二次大戦物にハマって毎日数時間に渡ってやり続けたことがある。そして死んだ。死に続けた。

自分が特別でも主人公でもないことをその時悟った。

部屋には暖房器具がなかった。少し考えると毛布を持ってきて膝にかけ、打鍵し始めた。

そして紡ぎ始める。主人公ではない男の物語を。


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――よけ藩国 大気圏軍司令部

新米をどやしつけて派兵準備を進めながら、結城は窓から空を仰いだ。ひつじ雲が流れていく。

今日の空は綺麗だ、そう思った後でしばらく空なんて見上げたことがなかった、と考える。

ラジオでは紀光王の会見の様子を繰り返し流している。

なかなかの名文句だ。スポークスマンは良い仕事をしているな、と考えながらチェックリストに目を落とした。

藩国軍には軍医・衛生兵が多い。敢えて弾にかすりに行き、軽症を負う者が多いせいなのか、藩国王の主義によるものかまでは結城は知らなかった。

だが、それはいいとしても医薬品が足りない。

軍需物資の保持、更新には当然国民からの血税が当てられる。その予算が議会で決められるわけだが、ここしばらく外憂に曝されることのなかったよけ藩国では軍事費は低く抑えられていた。

そのせいで医薬品が足りない。

共和国制軍隊の欠点だ、と言うのは容易いが結城は誇り高い猫で、自由主義者だった。手元に電話機を引き寄せ、受話器を取り上げると、電話をかけた。

「久しぶりだな、俺だが。宇宙軍の物資を廻して貰いたい」

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手元の書類の裏が猫の落書きでいっぱいになった頃、結城は電話を切った。当座はこれでしのげるだろう。あとは国民に期待するしかない。

過ぎたことや先のことは気にしないのが猫の生き方というものだ。んー、と伸びをしたところに、ドアが開く音がして同居人の猫士、更紗が入ってきた。

「疲れてるみたいね」

腕を組んで立つ更紗。しっぽは誇り高く天を指している。その姿に結城は見とれたが口には別の言葉を上らせた。





「やあ、更紗さん。優しい言葉をかけてくれるなんて珍しい。うれしいなあ」
「疲れてる人に疲れてるわねって言って、何が悪いのよ」

むくれる更紗。むくれる姿もいいなぁ、と結城は疲れた頭でぼーっと考えた。

「悪いわね、私にも何か出来ればいいんだけど」
「いいんだよ、更紗さんはいてくれるだけで」
「そうは言ってもこんな時よ、こんな時だからこそ何かしたいわ」

結城は疲れた頭で、ぼへーっとしてもらいたいことを考えた。そういえば吏族の紺碧がくれたあれがあったっけ。

机の下から紙袋を取り出すと、結城は更紗の方を向いた。そして真剣な表情で話しかける。

「更紗さん」
「何よ、あらたまって」

更紗、少しどきどきした。こいつでも真剣な顔することがあるのね、である。

「更紗さん、この紺碧くんから貰ったナース服を着……」

次の瞬間、右頬に更紗の神速の猫パンチを貰って結城は吹っ飛んだ。

そのまま窓ガラスを突き破ると23mほど吹っ飛んで地面に突き刺さる。そして動かなくなった。

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医務室で結城は目を覚ました。もう外は薄暗い。

「目が覚めた?」

声に視線を巡らせると、看護婦が立っていた。

「大丈夫?」
「幸い、体は頑丈に生まれついていますから」
「そう、なら良かったわ」

会話しながら枕元を探る結城。

「どうしたの?」
「いや、眼鏡が無いと見えなくて」
「ああ、もうちょっとそのままで、一応先生の診察がありますから」

看護婦の言葉に頷きながら結城は視線を落とした。暗い中に看護婦のふとももが白く浮かんで見える。いいなぁ、と思った。

「それだけ元気なら大丈夫ね。じゃあもうちょっとの間寝てなさい、先生を呼んでくるわ」
「お願いします」
「ああ、それから……」

去りかけた看護婦が振り返って口を開いた。

「悪かったわね」

更紗さんが言ってたんですか? と答える結城にそうよ、と看護婦は告げると白いカーテンの向こうに姿を消した。

枕に頭を沈めると、結城は目を閉じて先程の姿を思い出した。眼鏡がないせいでぼやけてたけど、薄暗がりでもわかるくらい顔が赤かったなぁ。

俺が死ぬときはあの顔を思い出して死ぬだろう。絶対にそうしてやる、と考えた。


――30分後、結城は白衣にその身を包み、軍務に復帰した。


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――再び第一世界

打鍵を止めた男は、同居人(?)である三毛猫に寄っていくと、顔を近づけた。

そして、引っかかれて負傷した。

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